住まい手からのメッセージ
小曽根の家 −Nさんからのメッセージ−
このメッセージは、竣工後約1年を経た2004年10月29日に寄稿していただきました。
この家が出来て一年になると思うと感慨も一入です。
この一年、月毎季節毎に「一年前の今頃はこうだった、ここまで出来ていた」と二人で振返り、懐かしみながら過ごして来ました。
目に見えての進捗がない事は分かっていてもやはり毎日見に行かずにはおれず帰宅後の深夜に懐中電灯で照らしながら現場を見に来た事も、工期の遅れにイライラした事も、今となっては良い思い出です。
この家に住んで、以前に比べ「広くなったから、新しくなったから」と言うだけではないゆとりや安心感が得られます。
設計のすばらしさももちろんですが、日々当り前の様に歩いている無垢の木の床や家の内外の土壁、横になって見上げれば杉板の天井と自然素材に包まれている事の安心感、安らぎではないかと思います。
街中の密集地にありながら、窓から窓を風が通りぬけ、明るい光が差しこみ、日中は天窓を通して雲の流れを目で追う事ができ、夜はリビングの窓から降下する飛行機の夜景を見る事ができる。
「家にいるのが一番!」と思わずにはいられません。
我家に来る友人達も同じ思いを持つ様で、夏に来た友人は「そろそろ気候もよくなったのでまた行かせてもらうわ」とか「ここに来ると癒される!」と好き勝手な事を言いながら集まって来ます。
光と風を通す設計をして頂いた為に、家の中で声や灯りがもれやすく(自分達だけでは全く気にならないのですが)泊まっていく友人や両親に他の部屋の灯りや声が気にならないか当初心配しましたが、皆「全然!」と熟睡し満足して帰って行きます。
生物達にも住み心地が良いのか今年の夏は近くの田んぼから蛙達が例年になく、たくさん引越をして来て土壁や杉格子の隙間にしばしば姿を見かけました。
またご近所の方にとっても、和みの空間の様で家の前を通るたびに「灯りがもれてきれいね」「植木が根ついてきたね」「夏は涼しいでしょう」「前を通る度に楽しみにしてるのよ」と口々に声を掛けてもらっています。
家が出来るまでには想像していた以上に様々な問題があり、大変な思いや戸惑いもありましたが、それをはるかに上回る幸せを自分たちは頂き、またこの家が人々に与えてくれていると思います。
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