住まい手からのメッセージ

浅香の家 −Kさんからのメッセージ−

これらのメッセージは、竣工後約1年を経た2001年2月から3月にかけてお書きいただいたものです。

1 「木」の家

「環境にやさしい」家とはどんなものだろうか?
家造りに際して住宅展示場を訪ね、ハウスメーカーの「エコ住宅」を見学させてもらったが、見えてくるのは、「断熱効率」や「資材リサイクル」、「オール電化」に「防腐・抗菌、クリーン化」。「家」とは工業製品であった、と改めて思い知らされた。「木造打ちっ放し」を旨とし、できるだけ国産木材を使っていくという家造りを知ったのは、ちょうどその頃だった。
「木」の家は、木の持つ色調や木目で、まず視覚的に安心感をもたらしてくれる。これには木の匂いも一役買っていよう。木材の持つ調湿効果や保温効果は、空調機器の使用頻度を控えてくれるし、何よりも肌とふれあう触感が心地よい。木をできるだけそのまま使うことで、シックハウス・化学物質問題に対しては気にすることもない。
ところで「木」の家は本当に環境にやさしいのだろうか?この答えは、設計、施工とともに、住まい手にも課せられていよう。私たちは、山に植えた木を切り、それを家造りに使う。ということは、その木が生きてきた年数(樹齢)以上に住まうことではじめて、「山」も「木」も活き続けることができるだろう。そのためには、息長く、愛着を持って住まえる家でなければ。「環境にやさしい家」とは、その部材や装置の性能だけで測るものではなく、設計、施工、そして住まい手の、家に対する「相互の在り方」から導かれるものなのだろう、そう思い知らされた家造りであった。
そして「木」の家は、確かにそれを実現してくれる手段なのだ。

2 OMソーラー

OMを一番実感できる季節は、やはり冬です。我が家はリビングが吹き抜けになっていて、エアコンがありません。というか、取り付ける気になれないような大きな空間です。冬は寒いかも…と思っていましたが、暖かでした。この冬一番冷え込んだ日でも、室温は14度から15度ありました。日中晴れていれば、ダクトを通して暖かい空気がどんどん室内に入ってきます。
そのかわり、はっきり言って夏は暑いです。窓を開ければ風が入ると言っても、夕方7時頃に帰宅すれば、まだまだ夕凪の時間帯で涼を得るどころではありません。でも一夏を過ぎて、秋に入った途端、クーラー漬けだった以前の生活と比べて格段に疲れ方(夏バテ)が減ったように感じました。夏は暑いのが当たり前、家に帰ればまずOMで沸かしたお湯でシャワーを浴びて汗を流せば気分一新、クーラーがなくても過ごせます。

3 住みごこち

家族構成、立地条件に合った間取りで、居心地よく住んでいます。中庭のウッドデッキから南は家族でワイワイ過ごす空間に、中庭から北は、音楽室、夫婦寝室といった静かな空間になっていて、両方をつなぐ場所には、夫婦の仕事スペースを作ってもらいました。南北に細長い敷地なのですが、中心部に中庭を置くことで、風も光も行き渡り、家の各部屋がやんわりと結ばれているような感じです。
全体にオープンな作りなので、現在7才、5才の子育てには向いています。子供達もゆくゆくはプライバシーを求める年齢になっていくでしょうが、その時々に応じて家も変化していけばいいと思っています。

4 自然素材の家

杉板の床が気持ちいい。素足にサラっとした感じで、冬は、やさしい暖かさがあります。また、珪藻土の壁がいいのか、ペアガラスの窓がいいのか、冬でも結露はゼロ、家の空気はいつもからっとしていました。花粉症に苦しむ私は、現在洗濯物を家の中に干していますが、1日あれば、きれいに乾いてしまいます。ただし、冬場は、乾燥しすぎの感もありますので、のどの弱い人は、加湿器がほしいところかも。
また、外壁の土壁(正確にはワラ入り土モルタル)は庭の木々との相性も良く、いい味を出しています。最初は雨に濡れたり痛んだり…と心配もありましたが、土壁の風合いが全てを包んでくれて、逆に些細なことを気にせず暮らせる安心感をもたらしてくれます。

5 設計者との出会い

正井さんの第一印象は、「チャシャ猫」です。別に根拠はないんですが、ニヤニヤ(すみません「ニコニコ」ですよね)とチャシャ猫のように笑いつつ施主の希望を聞き出し…と見えて実は正井さんの案にはまっている…という摩訶不思議な打ち合わせを何度もしました。最初に設計案を見せてもらったときから、夫婦とも「合う!」という感じで正井さんの設計に全面的に信頼をもっていましたので、ほとんど「お任せ」でお願いしました。横で打ち合わせを聞いていた福井さん(施工会社の社長さん)が、「本当にいいんですか。いやなものはちゃんといやと言えばいいんですよ。」「Noといえる施主さんでなくっちゃ。」と心配してくれたほどです。
でも出来上がったものを見ると、こちらの要望をひろいあげてくれていると同時に、正井さんの遊び心があちこちに見えて、楽しい家になったと思っています。感謝。

そして、4年目を迎えた2004年春、奥様からは下記のようなメールを頂きました。暮らしぶりや住まいに対するスタンスが参考になると思いますので併せて掲載しておきます。

我が家ももうすぐ丸4年になりますが、単に住むという以上にずいぶん家に癒してもらっているのを感じます。職業がら、外ではいやなことが多いのですが、家に帰り着くとホッとします。結局家にいる時間が一番幸せかもしれません。当初に比べると、見る影もなくキズ、汚れだらけですが、まあ、あまり神経質にならずに。
相変わらず、機会さえあれば、友人を呼んでごはんを食べてます。今週末にも音楽仲間がやってきて、一人は泊まっていきます。
お隣の両親家族とも行事ごとに宴会です。そういえば、義父の友人が我が家で宴会をやりたがってるようです。
というわけで、家族以外からもずいぶん愛されている家だと思います。


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