仕事の記憶
設計期間: 2003年10月〜2004年02月
工事期間: 2004年03月〜2004年08月
20030925 上棟
1/100模型
大阪府高槻市富田町で建設中の「富田の家 II」が、4月17日、上棟を迎えました。

日頃の行いが善かったのか(^^)、雲一つない快晴の下での建て方となり、大工職も気持ち良く仕事をしていました。
上棟式後の直会(ナオライ)では、住まい手ご夫妻からカセットコンロを持ち込んでのトン汁なども振舞われ、そこに住まい手のこの家に対する情熱を垣間見るようで、楽しく心温まる宴会でした。

建方風景1
快晴の空の下、最上部の梁を嵌め込む大工方。
この部分は3畳ほどのロフト空間で、最上部の高さは地盤面から7.6m。
建方風景2
住まい手ご夫妻は共働き。
互いの職場の中間に暮らしの場を築けたら理想的と、高槻市周辺での土地探しから住まいづくりのスタートを切られました。
私たちも土地探しの段階からのお付合い。
いくつかの候補が現れては消える中、少し予算はオーバーするけれど、幹線道路から少し入って周辺にも落着きがあり、南側道路で比較的間口が広いこの土地であればゆとりのあるプランニングもできるので、土地代が安いとはいえ狭小間口の土地に下手に3階建てで建てるよりも建築コストは抑えられるだろうと判断して、購入を決められました。
このような経緯でしたから、建築費は2000万円が目処。設計途中、住まい手とのディスカッションを通じてデザイングレードをアップした事などもあって、最終的に予算は少しオーバーしてしまいましたが、その分、何ものにも替え難い空間の質を保った住まいになると考えています。
上棟後3日目
ご主人の趣味である車いじりのための作業ピットを持った車庫と、奥様の趣味である油絵を描くための小さなアトリエを設けた他は、畳スペースを併設した寝室と子供の間兼用の家族の間があるだけのシンプルな木造2階建ての住まい。
構造材・造作材には吉野杉を用い、断熱材には「小曽根の家」に続いてPET樹脂断熱材を使う他、キッチンにこだわりを持つ住まい手とのディスカッションの中から生まれてきた魅力的なカウンターキッチンも特筆に値する要素となっています。
外壁はウレタン塗装による黒色調の仕上。内部はエコAEP塗による白色調仕上の壁・天井に、杉本実板の床が広がる、伸びやかで居心地の良い住まいとなる予定です。
竣工は8月上旬。完成時の見学会はいつものように開催させていただく予定ですが、PET樹脂断熱材や住まいの構造などを一度皆さんにご覧頂くのも一興かと考えており、現在のところは未定ですが、できれば建設途中での構造見学会も開けたらと考えています。
開くとすれば5月下旬頃になると思いますが、予定が決まり次第、またご案内させていただきます。
それまで、お楽しみに!

施工工務店: (株)大和建設

20040429 構造見学会開催のお知らせ
現場風景コラージュ
上棟のニュースでお伝えしていた構造見学会を、住まい手のご好意を頂いて、また施工工務店の協力により開催する運びとなりました。

木造在来工法の構造や設備、PET樹脂断熱材の施工の様子など、いつもの完成見学会ではご覧いただけない部分まで見学できる絶好の機会です。
この機会にぜひ一度ご覧下さい。

日時:2004年5月23日 日曜日 10:00〜16:30

2007年6月
ページリニューアルに伴い、案内の詳細は削除しました。

スタディ模型外観スタディ模型内観
1/20 スタディ模型 左: 外観 右: 2階家族の間
20040526 構造見学会報告
構造見学会
5月23日日曜日、ニュースでお伝えしていた構造見学会を予定通り開催しました。
構造見学会という事で、あまりご来場の期待はしていなかったのですが、それでも13組28名の方々にお越し頂け、好評のうちに終了しました。
もっともその半分は建築関係の学生で、直接仕事に結びつくような方々のご来場は少なかったのですが、学生諸子は建築を学んでいるとはいえ、工事中の現場を間近に見る機会など皆無に等しいわけで、まあ、そのような意味では開催して意義の有る見学会ではあったのかなと思っています。
1階
車庫・玄関から寝室方向を見る

手前の壁に貼ってある文字の書かれたシートは外壁面の湿気を外気に逃がす透湿防水防風シートで、この上に通気層を介して外壁仕上材が取付けられます。

1階の天井高は2250mm。
現在、玄関土間と寝室の間には壁がありませんが、完成時には天井までのクローゼットで間仕切る計画です。

2階
2階家族の間

構造材の間を埋める白い綿状のものがPET樹脂断熱材。
天井には既に石膏ボードが張られていますが、この中にもPET樹脂断熱材が施されています。

パブリックスペースである2階は浴室・納戸を除き実質ワンルームとなる大きな空間。南に開く勾配天井に覆われ、写真左の北面にはライン上のトップライトも切って明るい空間に仕立てています。
また、中央上部は2.2m角のロフト。
ロフト左手の高窓は冬の日差しを取り入れると共に、温度センサー付きの電動開閉窓を設けて夏季の熱気を排熱するパッシブデザイン。

屋根
屋根
この住まいは眺めの良い屋上が欲しいとの住まい手の要望をアレンジメントし、ロフトに設けたドアから簡単に屋根上に出られるようになっています。
右手の壁面に見える黒いドアがそれ。
これが見学会で思わぬ大好評。学生の中には、この上で30分以上過ごす輩もいたくらい。(^^;
左手に見える白い部分は前述のライン状トップライト。コストを抑えるため、半透明のポリカーボネイト樹脂波板葺で仕上げています。
外観
見学会を終え、工事はこれから8月上旬の竣工を目指し、開口部の枠周り工事や外壁や内壁の仕上工事へと本格的に歩を進めてゆきます。

上棟のニュースでもお伝えしている通り完成見学会も予定していますが、今回の日曜日開催(いままでは土曜日でした)が好評でしたので、完成見学会は土日の二日間開催にしようかと計画しています。
あと2ヶ月ちょっと。
それまでお楽しみにお待ち下さい。

20040709 完成見学会開催のお知らせ
完成間近の外観
上棟、構造見学会開催とお伝えしてきた「富田の家 II」も8月上旬、いよいよ竣工の運びとなりました。
つきましては今回も住まい手のご好意と施工工務店の協力を頂いて下記日程にて見学会を開催いたします。

映像や文章だけではなかなかわからない空間や素材感を自らの五感で体感できるまたとないチャンスです。
お盆前の休日ですが、ここはひとつ海だ山だという気持ちを少しばかり抑えて頂き、万事繰り合わせの上、ぜひ一度お越し下さい。

日時: 2004年8月7日(土)・8日(日) 10:00〜16:30

2007年6月
ページリニューアルに伴い、案内の詳細は削除しました。
オリジナルキッチン
左: 2階家族の間のワークステーション
キッチンメーカー製では不可能な三方向収納を実現したオリジナルのカウンター型ワークステーション。
生垣ではなく芝生を垂直に張った土塀 -The bank-
設計当初の計画にはなかったのですが、この住まいの外観に見合う塀のデザインは、と考える中で思いついた逸品。
コストを抑えるため施工は住まい手も参加してのボランティア作業。この後、炎天下での約5トンの土入れ作業を行い、終わる頃には私も含め全員ヘロヘロ。(^^; けれど、思った以上に外観にマッチした素晴らしい垂直緑化塀が出来上がりました。
20040810 完成見学会報告
完成見学会
8月7日・8日の両日、お知らせしていた「富田の家 II」完成見学会が予定通り開催されました。
猛暑の中、2日間で25組54人の方々にお越し頂き、盛況のうちに終えることができました。
今回は見学会時間中にあまり撮影ができず、これといった写真がないのですが、空間のイメージだけでもお伝えして行きます。

左: オリジナルのカウンター型ワークステーション
ワークトップ下はオープンで、ガスオーブンコンロは住まい手の要望によりロジェールをビルトイン。
左手のドアは生ゴミ処理などに便利な小バルコニーへの出入口です。

南西側外観
正面外観中央にそびえるのは階段室。
左手が車庫兼玄関へのアプローチ。
朝日の入る階段を、という住まい手の要望に応え、あえて南側に配置した階段室です。視線と日射をコントロールするための杉横格子も相まって、この住まいの外観を特徴付ける存在です。
バルコニーの竪格子と共に木材保護塗料を塗っていますが、これは住まい手による自主施工。
住まい手曰く、見学会のお知らせニュースで取り上げた手前の-The Bank-と共に、「コスト削減とかより、作業の大変さが今となっては良い思い出で、普通に建てたより住まいに愛着が持てる気がする。」との事。
玄関
右: 玄関
この住まいは趣味のスペースを除けば1階一部屋、2階一部屋の1LDK。
ただ、各部屋を結ぶ要となる玄関は住まいの規模に比べて広く取り、各空間へのアプローチや繋がりを演出しています。ここはまた、奥さんの描かれた油絵を飾るギャラリーでもあります。
2階家族の間北面
左: 家族の間北面を見る
横幅いっぱいに取った天窓からは柔らかな光が差し込みます。
家族の間は約17畳で、子供スペース兼用。
奥のスペースを子供の成長に合わせて間仕切って行くオープンプランニングです。
2階家族の間南面
家族の間南面
正面中央が階段室でその上部は小さなロフトになっています。
階段と左手窓の間は壁ではなく、実は階段入口を塞ぐ引戸。冷暖房時には閉めて使いますが、開けている時は壁との違和感が無くなるようにデザインしています。
手前の柱は木造であるこの住まいにとっては大黒柱のようなものですが、これが見学会では幼い子供らに好評で、柱の周りを回ったり、いないいないバーをしてみたりと、格好の遊び道具と化していました。
今回、ローコスト化もあって家具を建築本体工事とは分離し私たちの事務所による直接工事とした事や、このニュースで取り上げたセルフビルド以外にも様々な自主施工があって、その段取りや作業でなかなか大変な思いもしましたが、住まい手の言葉同様、できあがった空間の中に浸っていると、その苦労が素敵な思い出でに変わっていくのが心の中に感じられ、自分で言うのもなんですが、素敵な仕事になったと思っています。見学会の終わったあと、住まい手と飲んだ酒のじつにウマかったこと。(^^)
工事中、私の突然のアイデアにレスポンスよく応えていただいた住まい手、適度に文句を言いながらも付き合ってくれた施工工務店に感謝感謝の住まいづくりでした。

竣工写真の撮影は近日中に予定しています。
その写真が上がりましたらアップロードして行きますので、お楽しみに。

その後
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