仕事の記憶
設計期間: 2002年08月〜2003年04月
工事期間: 2003年05月〜2003年11月
20030630 上棟
1/100模型
大阪府豊中市で建設中の「小曽根の家」が、6月27日上棟を迎えました。
延べ面積で26坪程度という比較的小さな木造2階建ての住まいですが、2階には19畳大の空間となるLDKを配し、光と風を通す工夫を凝らした居心地の良い住まいになるよう計画しています。
外壁は定番のワラスサ入り土モルタル塗を主に、道路側正面には外観上のポイントとして杉角材目透シ張仕上を施す予定です。
内部は床・天井を杉板張り、壁は生石灰クリームコテ押えによる大壁仕様として、モダンでありながらどこか和みのある空間づくりを目指しています。
また、いつものように構造材には国産材(土台:桧・その他:杉)を用い、管柱は徳島県産材、通柱と梁については高知県産材を使った住まいになっています。
竣工予定は10月中旬。完成時には見学会を予定していますので、それまでお楽しみに。
上棟時外観
棟上当日の模様
夕方からの上棟式はあいにくの雨模様。
けれど、屋根下地の野地板がほぼ葺きあがったこの時点まではなんとか天気も持ってくれて、構造材にはほとんど雨がかからずに済み一安心という当日でした。
2階天井見上げ
2階天井見上げ 仕上げは杉板張りの予定

施工工務店:株式会社 トータル

20030901 断熱工事
外観上棟をお伝えしてから約2ヶ月。
屋根工事・外壁左官下地工事が完了し、外壁の断熱材入れがはじまった小曽根の家からのレポートです。
ご覧のように外観のフォルムも完成模型のイメージに近づいてきています。
1階
左: 白く見える部分は透湿防風防水シートで完成時には杉角材目透シ張となります。
板張りのように見える部分は左官下地の杉バラ板で、仕上はワラスサ入り土モルタルを予定しています。

右: 1階寝間部分の様子
外壁の透湿防風防水シートにバラ板越しの光が映えて、工事中とはいえ美しい姿を見せています。

階段室
環境負荷の少ない住まいづくりをコンセプトとする私たちの事務所も、断熱材については、いままでコスト面や性能品質面で見合う代替品ががなく、グラスウールやポリスチレンを多用してきましたが、この小曽根の家では壁と天井の断熱材に、これからのスタンダードを目指し、PET樹脂断熱材の使用を試みています。
PET樹脂断熱材<パーフェクトバリア>は、巷に溢れかえるPETボトルをリサイクルして作られた断熱材で、工業製品とはいえ、リサイクル製品ですからそれ自体が環境負荷を減らす素材であり、また製造時に必要なエネルギーも少なく地球温暖化対策という面からも有効な製品です。
加えて、接着剤で繊維同士を固めているグラスウール系断熱材とは異なり、繊維同士を直接絡めて製品化しているため接着剤が一切使用されておらず、ポリエステル樹脂の特性として完全燃焼時にはH2OとCO2に分解しますから万が一の火災時にも有毒ガスの発生を極力抑えることができます。
また肝心の断熱性能は、ロールタイプで熱伝導率0.039kcal/mh℃となっていて、一般的なグラスウールやポリスチレンフォームに比べても遜色の無い性能で、パッシブシステムによる低温式暖房の住まいでも安心して使って行ける断熱素材です。
上: 壁・天井に施されたPET樹脂断熱材
工事中、なにより助かるのは施工の際にグラスウールのようにガラス繊維でチクチクと肌を刺されることも無く、ポリスチレンのように切り屑が静電気と汗で肌にまとわり付くことも無く、気持ちよく施工できる事です。
パーフェクトバリア
自然素材やリサイクル品による様々な断熱材が新しく登場してきていますが、性能面や経年劣化、施工性やコスト面を考えると、私自身、いずれの製品もいまひとつ信用ができず使うのを躊躇していましたが、このような優れた特性を持つPET樹脂断熱材に出会い、これは私が考えるベストな形にかなり近いのではないかと考え、今回の採用に踏み切りました。
ただ、そうはいっても工事費は、一般的なグラスウールやポリスチレンによる断熱工事に比べるとかなり高いものになりますから、即、全ての住まいにスタンダードとして採用していくには難しい面もありますが、今後の計画案については住まい手の皆さんからの要望も聞きながら可能な限りは取り入れて行きたいと考えているところです。

左: この現場で使用しているロールタイプ100mm厚のパーフェクトバリア。
他にボードタイプもある。

パーフェクトバリア取扱:エンデバーハウス(株)

20031005 完成見学会開催のお知らせ
ニュースでお伝えしていきた「小曽根の家」が竣工間近となり、住まい手のご好意を頂いて完成見学会を開催する運びとなりました。

住まいの概要については今までのニュースを御一読願えればと思いますが、延べ面積で26坪程度という比較的小さな規模ながら、広がりのある居心地の良い住まいを実現する事が出来ました。
この機会に、ぜひ一度ご覧下さい。

日時:2003年10月25日 土曜日 10:00〜16:00

2007年6月
ページリニューアルに伴い、案内の詳細は削除しました。

20031028 完成見学会報告
東側外観
10月25日土曜日、お知らせしていた完成見学会を予定通り開催しました。
前夜10時まで職方たちが出入りし、一時は「見学会に間に合うのか」と心配もしましたが、若干の手直し工事は残しながらも、なんとか無事、見学会を迎える事が出来ました。
当日は天候にも恵まれたせいか、21組40名もの方々にご来場いただけ、大盛況。ほんとうに間に合って良かった良かった。(^^;

会場でのお話やアンケートの回答によりますと「とても20坪ちょっとの家とは思えないほど広さが感じられる家」、「2階リビングの天井が高く、明るくて気持ちの良い家」、「杉や生石灰の質感が良い」などの感想を頂き、当日会場に居られた住まい手の方共々喜べた一日でした。

ご多忙中、お越し頂いた皆様にはこの場を借りまして御礼申し上げると共に、ご都合などでお越し願えなかった方々のために、見学会当日のスナップ写真ではありますが簡単に紹介しておきます。

1階寝間
1階寝間
左: 中央は掘炬燵。座卓は吉野杉で製作。
下: 前方奥が洗面脱衣で右手は板張りの寝間。白壁は生石灰リーム塗、赤壁は和紙張。

1階寝間から諸室を見る

下: 入隅を回転して納まる障子。畳の間の見せ所の一つ。開放時は右側手前に引き込まれます。
障子
畳の間と厨房
右: 2階家族の間から厨房方向を見る
いままでお伝えしてきたように、この住まいは1階にプライベート空間を、2階にパブリックな空間を設けた、いわゆる2階リビングの住まいです。
1階が柱・梁を見せたどちらかといえば和調で落ち着きのある空間なのに対し、2階は柱・梁を見せずに壁全面を生石灰クリーム塗で仕上げ、明るく開放的な空間に仕立てています。
天井は屋根勾配にあわせた傾斜天井で最も高い所で3.75m。最上部のトップサイドライトからは光が溢れ、狭小な建売住宅が並ぶ住宅密集地にあって周辺からの視線は遮りながらも、明るく居心地の良い空間を実現しています。
このトップサイドライトの一部は電動で開閉し、換気、特に夏場の熱気抜きとしての機能を持たせています。また写真には写っていませんが、冬場の暖房補助として高い天井面に溜まりがちな暖気を1階床面にファンで降ろして暖房効率を上げるサーキュレション設備も設け、ローコストで効果的なパッシブデザインを施した住まいとなっています。

左下: 家族の間と畳の間
左手奥は床面を35cm上げた畳の間。家族の間との間に建具はありませんが、天井を2.2mと低くして、ゴロ寝にはこれ以上にない最適な空間。
手前の座卓は、住まい手と共に訪ねた吉野の材木屋で仕入れた栃を使って製作したもの。
奥は同所で見つけた杉厚板を天板に使った多機能カウンター。

家族の間と畳の間外観見上げ
外観夜景
トップライトから漏れる光は軒を照し、グレー色のOSMOを塗った杉格子壁と共に、この住まいを町並みの中の唯一無二の存在にしています。
施したデザイン要素や住まうための工夫の全てを、このページだけではとても書き切れませんが、雰囲気だけは伝わったでしょうか。
入居前にカメラマンによる完成写真撮影を予定しており、近々撮影の予定です。そのプリントが上がり次第、「仕事と作品」ページで詳細な紹介をして行きますので、どうぞ、それまでお楽しみに。
20040921 まちなみ住宅100選 奨励賞受賞
外観夕景
2003年11月に竣工した「小曽根の家」が、この度住宅生産団体連合会主催による「まちまみ住宅100選」に選出され奨励賞を受賞しました。
「まちなみ住宅100選」とは「一戸の住宅から始まる美しいまちなみへ」をテーマに、住宅の実施例を募るコンペティションです。
詳しくは下記リンクをご覧下さい。

住宅・すまいWeb まちなみ住宅100選サイト:
http://sumai.judanren.or.jp/machinami100/

その後
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