仕事の記憶
設計期間: 2002年07月〜2003年07月
工事期間: 2003年08月〜2004年02月
20030925 上棟
1/50模型
大阪府泉南郡岬町で建設中の「岬町の家」が、9月24日、上棟を迎えました。

自転車を趣味とする旦那さんとピアノを趣味とされる奥さん。これら趣味空間と生活の場となる居住空間を別棟に分け、その間に生まれる外部空間を中庭兼アプローチ空間とした住まいです。

ピアノ室は音響・防音を考え補強コンクリートブロック造、自転車室はローコストの小屋風木造平屋建てとしてそれぞれ西側道路沿いに配置し、居住空間は大きな吹抜空間を持つ木造在来工法2階建てとして東側に設けました。また、アプローチと中庭は杉板張りのデッキとして、室内からの段差もまったくない内部空間と外部空間が一体となったバリアフリー空間を実現しています。
このデッキは道路と敷地の高低差を生かし、道路面からの視線は遮りますが、北側に広がる大阪湾の風景は遠望できる居心地の良い空間に仕上げる予定です。

他にも断熱と防音を兼ねてのピアノ室の屋上緑化や、吹抜空間を通して2階に溜まりがちな熱気を、冬場は1階に循環し、夏場は外に排気するシンプルでローコストなサーキュレーションシステムの導入など、様々な工夫を取り入れています。

建方風景
左: 北側より見る
木材はいつものように国産材。
今回は土台・大引には吉野桧を、その他の構造材・造作材には吉野杉を用いています。
右: 西側より見る
上棟式当日はあいにくの土砂降り。
幸い前日には大方の作業を終えていたので、なんとか式は執り行う事が出来ました。(^^;
手前青いシートがおいてある部分にブロック造のピアノ室が建ちますが、この時点ではまだ未施工です。
竣工予定は2004年1月末。完成時には見学会も予定していますので、それまでお楽しみに。
施工工務店:(株)大和建設
20031230 足場撤去
南西側外観
上棟から数えてちょうど3ヶ月、外部を覆っていた足場が撤去され、岬町の家がその姿を表しました。
上棟のニュースでも触れましたが、西側道路に面した杉板張外壁の部分がピアノ室と自転車室からなる趣味空間。その奥に見える黒い波板張りの部分が居室棟という明確な構成を持った住まいです。
南側外観
趣味空間と居室棟の間はエントランス空間や中庭となっていて、2階には北側に広がる大阪湾を一望できるデッキを設けています。
南側と西側に大きく張り出す庇は四季を通じて適度に日射をコントロールすると共に、この家の外観を特徴づける大きな要素となっています。
敷地から望む明石大橋
明石大橋
内部は壁下地工事もほぼ終わり、年明けから水性エコペイント塗という段階(下写真)。
完成すれば、OSB合板の化粧野地板と横垂木が織りなすリズミカルな天井の下、白壁と杉床の構成が美しい内部空間になる予定です。
その内部空間を特徴付けるのは巾1.6mの大階段と吹抜に架け渡した長さ5.7mのスロープ。
空間としてはどうしても分離しがちな2階と1階を人の動きというモチーフで結びつけようと試みる大階段と、プライベートな寝室とパブリックな空間を象徴的に結ぶスロープ。
趣味空間との間に設けた中庭と共に、「空間の橋架け」が一つのコンセプトになっています。
2階見通し1階大階段
竣工は予定通り1月末で、完成見学会は1月末か2月初旬の土曜日の予定しています。
いままでの一連の仕事とは少し違ったイメージを持った住まい。この機会にぜひ、見学にお越し下さい。
ちょっと大阪市内からは遠いのですが・・・。(^^;
日程については決定次第、また、このページでお伝えします。
20040108 完成見学会開催のお知らせ
1階からのん見上げ
ニュースでお伝えしてきた「岬町の家」が竣工間近となり、住まい手のご好意を頂いて完成見学会を開催する運びとなりました。
大阪市内からはちょっと遠方の見学会ではありますが、いままでの一連の住まいとは少しデザインコンセプトも変わった見所盛りだくさんの住まいです。
この機会に、ぜひ一度ご覧下さい。

日時:2004年2月7日 土曜日 10:00〜16:00

2007年6月
ページリニューアルに伴い、案内の詳細は削除しました。

20040221 完成見学会報告
北西側外観
2月7日土曜日、ご案内していた「岬町の家」見学会を予定通り開催しました。
午前中は強い北西風と、それに乗って流れてくる雪雲からの雪もちらつくというような空模様でしたが、昼頃からは写真のような暖かい日差しも射し込む、そこそこの天気の見学会となりました。
ですが、やはり岬町は遠かった、という事でしょうか、ご参加いただけたのはいつもより少なめの8組14人の方々。ちょっと残念な見学会ではありました。
まあ、でも、その分、皆さんにはいつもよりじっくりと見学していただけたようですし、私自身も撮影できる時間がゆったり取れて、それはそれで良かったかなという一日でした。
というわけで、いつもの見学会報告より多めの写真で、「岬町の家」をご紹介して行きましょう。
南西側外観
南西側外観
足場撤去のニュースでも紹介していますが、手前の杉板張り部分の右側が奥さんの趣味であるピアノ演奏のためのピアノ室、左側が旦那さんの趣味である自転車を整備保管するための自転車室、奥の黒い波板張りの部分が居住棟という3棟構成の住まいです。
屋上から見る
左: ピアノ室上部の屋上庭園から居住棟2階を見る
写真手前に少し見えているのが敷き詰められた土。
緑の観賞用としてだけではなく、植物からの水分蒸散作用と土による遮熱断熱効果を狙ったディテールです。
ピアノ室
右: ピアノ室から窓越しにアプローチを望む
ピアノ室の外観は杉板張りになっていますが、構造は防音を考えてのコンクリートブロック造。外断熱を施し、内部はブロック素地面に直に生石灰クリーム塗っただけのシンプルな仕上げとしています。床は黒のリノリウム張。
壁と天井の境に走るラインはカーテンレールで、吸音のためのカーテンを吊るのですが、この時点ではまだ未施工。カーテンも黒で、カーテンを引けば白の空間が一転、黒の空間に生まれ変わるという演出。
中庭夕景
左: 中庭から玄関方向を見た夕景
右手がピアノ室、正面の玄関上部はバルコニー。
ピアノ室や自転車室という趣味の空間と日常の暮らしの中心となる居住棟を結ぶ半外部的な空間。
玄関内部も含め杉の素地板をスノコ状に張り詰め、左の家族の間とも段差の無いユニバーサルデザインとする事で、内外ともに広がりのある居心地の良い空間を実現しています。
アプローチ格子戸
右: ピアノ室と居住棟の間に設けたアプローチ空間
写真は格子戸を閉めて玄関サイドから見たところ。
1階家族の間2階家族の間
上左: 1階家族の間から大階段を挟んで2階家族の間へと連続するパブリック空間
手前は杉無垢板のオリジナルテーブル。
上右: 2階家族の間から1階家族の間を見下ろす
スロープの先の寝室以外はワンルーム構成とした大きく広がりのある空間です。

下左: 1階寝室から家族の間方向を見通す
左手のガラス袖壁下に見える四角い開口は猫のための「猫道」。猫もこの住まいとって大切な住まい手です。
下右: 2階吹抜空間に射し込む光
壁はエコAEP塗装の白とシナベニヤ張で、天井は杉垂木とOSB(木片チップを加圧接着した合板)張のシンプルで上品な仕上の空間。

1階寝室からの見通し2階
中庭夕景
中庭から家族の間を見た夕景
中庭から見た家族の間
右写真の正面が厨房で、左手の段差部分は畳敷き。室内の段差にあわせて中庭のデッキにも段差を設けています。
テーブルも段差にあわせて脚の長さを変え、座卓兼用で広々と使えるよう設計しています。
さて、いかがでしたでしょうか。
サーキュレーションシステムをはじめ、まだまだお伝えしたい事はたくさんありますが、今回からポジフィルムによる取込みをフラッドヘッドからフィルムスキャナに替えたこともあり、より鮮明でクリアな画像で、この住まいの雰囲気をお伝えできたのではないかと思います。
いつものようにカメラマンによる撮影も近々予定しており、その竣工写真が出来上がり次第「仕事と作品」ページでご紹介する予定です。
それまで、どうぞお楽しみに。
20040708 TV放映のお知らせ
取材風景 外から
先日、竣工後半年を経た「岬町の家」が、朝日放送「きらっと」から取材を受けました。
「きらっと」は毎週月曜日から金曜日の19時54分から4分程度の短い情報番組です。衣食住の中から曜日ごとにテーマを決めて放送されていて、火曜日が「家 きらっと」と題した関西の住宅を紹介するコーナー。そこで「岬町の家」が取り上げられる事となりました。

朝日放送「きらっと」
7月20日火曜日 21時08分 放送予定

前述の時間と放送時間がずれていますが、これは当日「アジアカップ 日本vsオマーン」が放送されるためで、試合の進行具合によってはさらにずれる可能性もあります。
まあサッカーで興奮した心を安らげる清涼剤がわりにでも、ご覧頂ければと思っています。

左: 取材当日の模様
斜面の芝生も綺麗に生えそろってきています。

取材風景 猫取材風景 VTRカメラ
左: カメラ目線で演技する愛猫のミーちゃん。将来はタレントか。 右: 住まい手を撮影するカメラマン
20040921 雑誌掲載のお知らせ
「きらっと」での放映に続いて、「岬町の家」が本日9月21日発売の「新しい住まいの設計 11月号」で、「風に身をゆだね、日の温もりに和む。自然の力を生かすパッシブデザインの家」というタイトルで紹介されています。
住まい手の生活スナップや住んでみての感想など、日頃の完成見学会では目にすることができない「暮らし」が紹介されています。小さな書店でも置いてある全国誌ですので、この機会にぜひ手に取ってご覧下さい。もちろん立ち読みするだけでなく、気に入ったら買って下さいね。(^^)

新しい住まいの設計11月号 創刊44周年記念特大号 扶桑社 定価:1000円(税込)

表紙紹介ページから
左: 11月号表紙 右: 紹介ページから
その後
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